血管生物分子病理学
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- 病理学
- 血管
- がん
- 感染症
- COVID-19
病理学は病気の原因とメカニズムを解明しその本態を追究する学問です。基礎医学に属しますが、臨床との架け橋の役割も担っています。病理学は長年にわたり主に形態学的な手法を用いた研究により発展してきましたが、現在、生化学、分子生物学、細胞生物学など様々な手法を取り入れて疾患のメカニズム解明を目指すことが一般的になりつつあります。
当教室では、日々の病理診断に加え、主にがんの研究と感染症研究に取り組んでいます。現在がんは日本人の死因第一位ですが、その克服のためには専門的・学際的な研究とその成果の活用が重要です。私達は細胞のがん化、悪性化の分子機構やがん幹細胞の生物像、組織微小環境因子や腫瘍血管など間質との相互作用の視点から、がんの病態解明を目指しています。さらに、COVID-19の重症化における血管病態についての研究も進めています。がんや炎症、感染症研究は骨や口腔組織の様々な組織における炎症や慢性疾患、代謝疾患、組織再生に関する研究にもつながります。また、私達は基礎研究の成果を新しい診断・治療法に応用することを目指しており、臨床検体を用いた橋渡し研究 (トランスレーショナルリサーチ)も行っております。
科学の進歩は目覚ましく、今の学生の皆さんが覚えなくてはならないことは沢山あります。知識を増やすことは重要です。しかし、研究者、臨床医として活躍するためにはいかに多くのことを知っているかということよりも、むしろ、どのような疑問を持つか、それについてどう考えるのか、また身近な問題にどのように対処するのか、といったことがより重要になると思います。単に疾患名を覚えるのではなく、その成り立ちを理解し病気を治すために何ができるのかを学生の皆さんと一緒に考え続けていきたいと思います。
現在教室で行われている研究の概要は、
- 腫瘍血管内皮細胞の異常性解明と治療法開発
- がんの悪性化と微小環境
- COVID-19における血管病態
- 血管再生
です(詳細は教室のホームページをご参照ください)
教室には歯学部の大学院生のみならず、医学部や他学部の出身の学部生・大学院生、留学生が在籍し、日々アクティブに研究を行い、学んでいます。皆様の来訪を歓迎しますので、いつでも教室にお立ち寄りください。
担当教員
樋田 京子