「舌の外観は1日のなかでも変化する」
最近、舌が白く見えることを気にされる方が増えているように感じます。白さが気になり、舌ブラシなどで頻回に舌を擦って除去しようとする方も見受けられますが、過度な清掃は舌をきれいにするどころか、かえって粘膜を傷つけてしまうことがあります。
舌は本来、うっすらと白みがかっている状態が健康的とされています。舌の表面には、糸状乳頭と呼ばれる角化した舌乳頭が、絨毯の毛のように密集して存在しています。口腔内の細胞は代謝が非常に早く、糸状乳頭の表面にある角化細胞は垢(舌苔)として常に剥がれ落ちています。
通常であれば、この舌苔は唾液の自浄作用によって洗い流され、無意識のうちに飲み込まれています。しかし、唾液の分泌量が少ない状態では、この自浄作用が十分に働かず、舌の表面に舌苔が堆積しやすくなります。その結果、舌がより白く見えるようになります。
このように、舌の外観は口腔内の湿潤状態、すなわち唾液の分泌状態に大きく左右されます。起床時に舌が真っ白に見えることを心配される方がいますが、睡眠中は唾液分泌が著しく低下するため、舌苔が残りやすく白く見えるのは自然なことです。
一方、食事中は唾液の分泌が活発になるため、食後には舌が比較的きれいに見えるようになります。このように、舌の色調や見た目は、1日のなかでも誰にでも大きく変化しているのです。
舌の見た目や症状について気になることがある場合には、自己判断せず、口腔内科を受診されることをお勧めします。
