口腔内科ブログ|舌痛 ― 舌は身体で最も過敏な器官です

「舌は身体で一番過敏」

身体のなかで特に敏感、すなわち感覚が鋭い部位はどこだと思われるでしょうか。
実は、指先と口の中、そして唇が最も感覚の鋭い部位とされています。そのため、高齢者が可能な限り自分の手を使って食事をすることは、脳への刺激となり、認知機能にも良い影響を与えると考えられています。

口の中では、舌先が最も敏感な部位です。さらに舌は、歯や入れ歯と常に接触しており、食事や会話の際には繰り返し刺激を受けます。そのため、わずかな傷や違和感があるだけでも、痛みを強く感じやすい特徴があります。

舌自体に明らかな異常が認められなくても、舌が歯や入れ歯に擦れる感覚を気にし続けているうちに、実際に痛みとして感じるようになることがあります。これが舌痛症の発症の一因と考えられています。

鑑別のポイントとして重要なのは、食事中に痛みが強くなるかどうかです。
食事の際に、熱いものや味の濃い刺激物を摂取しても痛みが気にならず、むしろ黙っているときや、時間に追われていないときに舌がひりひりと感じられる場合は、舌痛症の可能性が考えられます。

一方で、食事中、とくに刺激物を口にした際に痛みが増強する場合には、アフタ性口内炎やカンジダ性口内炎など、何らかの器質的病変が存在している可能性があります。

舌の痛みや違和感が続く場合には、自己判断せず、口腔内科への受診をお勧めします。