口腔内科コラム|舌の構造について

「舌はグロテスク」

舌の外観は、医学的に見ても決して整ったものとは言えず、一般の方からは「グロテスク」と感じられることも少なくありません。

通常、舌を意識的に観察する機会は、体調不良時などに舌を前に出して鏡で表面を確認する程度ではないでしょうか。そのため、舌の本来の構造を詳しく見ることなく過ごしている方がほとんどだと思われます。

しかし、テレビの健康番組や著名人の舌がんに関する報道をきっかけに、不安を感じて舌の奥や側縁、下面まで入念に観察される方がいます。そうすると、赤い粒状の隆起、ヒダ状の構造物、できもの、あるいは出血斑のような斑点に気づき、「がんや何らかの病気ではないか」と心配されることがあります。

実際には、痛みや違和感といった自覚症状がない場合、それらの多くは舌に本来存在する生理的な構造物であることがほとんどです。ただし、見た目だけでは正常所見と病変の鑑別が難しい場合もあります。

そのため、舌の状態について不安を感じた際には、自己判断せず、歯科・口腔内科を受診し、専門的な説明を受けることをお勧めします。