「入れ歯安定剤に関する注意」
長年入れ歯を使用していると、徐々にゆるみを感じたり、新しく作り直しても外れやすさが改善されないことがあります。そのような場合に、歯科医院を受診せず、市販の入れ歯安定剤を購入して使用している方も少なくないと思われます。
入れ歯安定剤は近年、歯科の専門学会においても見直しが進み、適切に使用すれば有用な補助材料であると考えられています。しかし、歯科医院での店頭販売は多くなく、主にドラッグストアなどで販売されているため、種類が多く、どの製品を選択すべきか迷われる方も多いのではないでしょうか。実際には、店舗の推薦やテレビコマーシャル、価格などを参考に選ばれているケースも少なくありません。
入れ歯安定剤の使用には、いくつかの重要な注意点があります。これらを守らずに使用すると、かえって入れ歯の安定が悪くなり、口腔粘膜を傷つけたり、十分に噛めなくなるなど、逆効果となる場合があります。
まず製品のタイプとしては、クリームタイプの入れ歯安定剤が推奨されます。使用前には、うがいをして口腔内の粘膜を軽く湿らせておくことが大切です。塗布量はごく少量で十分であり、目安としては小豆大を上顎に3か所、下顎に2か所程度で足ります。
入れ歯を装着する際には、数秒間しっかりと噛みしめ、安定させるようにします。また、就寝前には必ず入れ歯を外し、その際には入れ歯の内面だけでなく、粘膜に付着した安定剤もすべて除去することが重要です。
これらの注意点を守っても症状の改善がみられない場合には、そもそも入れ歯の形や適合状態に問題がある可能性があります。その際には、自己判断を続けず、歯科医院へ相談されることをお勧めします。