論文紹介
上顎骨の形質細胞腫の1例がアクセプトされました。
Plasmacytoma of the Maxilla presenting with nosebleeds: A case report – ScienceDirect
Article reference: JOMSMP_JOMSMP-D-25-00162
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology
Article title: Plasmacytoma of the Maxilla Presenting with Nosebleeds: A Case Report
上顎骨の形質細胞腫の1例:咀嚼時の鼻出血を主訴に来院した上顎骨孤立性形質細胞腫の1例
邦文の要約:
形質細胞腫は形質細胞の増殖を来す悪性腫瘍疾患の一種である.形質細胞腫は、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、髄外性形質細胞腫に大別される.上顎骨に発する形質細胞腫は非常にまれである.著者らは上顎骨の孤立性形質細胞腫の1例を経験した.
患者は60代男性で、咀嚼時の鼻出血を主訴に当科を受診した.患者の全身状態は正常であった.口腔内ならびに鼻腔内所見では、左側上顎歯肉の腫脹と発赤、左側鼻腔底に腫瘤を認めた.パノラマX線写真とCT画像にて埋伏歯周囲に単房性骨透過像を認めた.病変は鼻腔内に浸潤していた.上顎良性腫瘍の臨床診断の下、著者らと耳鼻科医で左上顎ならびに鼻腔内から別々に病変の切除を行なった.いずれの病理組織検査でも形質細胞腫瘍の診断となった.全身の骨、骨髄穿刺、血液検査、尿検査に異常所見を認めず、上顎骨の孤立性形質細胞腫の診断となった.術後に局所に計50Gy放射線治療を追加した.患者は3年以上の経過観察を受けている.局所再発ならびに多発性骨髄腫への移行を認めない.
