ミヤジヒロフミ
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宮治裕史

この度2024年4月より、北海道大学大学院歯学研究院の21番目の教室として新しく開設されました「口腔総合治療学教室」を担当します、宮治裕史でございます。本ウェブサイトをご覧の皆様方にこの場をお借りしましてご挨拶申し上げます。

 口腔総合治療学教室は、臨床教育部(2003年(平成15年)設立、初代教授;井上哲(現名誉教授)、2代目教授;宮治裕史)を前身としております。当教室は学部3年のフロンティア基礎科目、学部4年の臨床基礎実習、学部5年、6年の診療参加型臨床実習、臨床講義、医歯連携の講義実習等を担います。また臨床実習開始前のComputer Based Testing CBT)、客観的臨床能力試験(OSCE)、臨床実習終了時に行う臨床実地試験(CPX)、一斉技能試験(CSX)を担当しております。さらに北海道大学病院口腔総合治療部、ならびに臨床研修センターの皆様と連携協力しながら卒後歯科研修プログラムを担当し、学部生から研修医へシームレスな臨床教育を実施しております。

この度、口腔総合治療学教室の新設に伴い、歯学部カリキュラムへ総合歯科学という新たな学術分野導入を進めております。総合歯科学とは、口腔の健康と疾患に対して包括的に臨床・研究的アプローチを実践する学問で、多職種との連携や様々な歯科専門分野の統合が要求される高度な学問体系を持っています。臨床では複合的な観点で歯科診療を実施し、最適な治療プランを提供することで患者の口腔健康を最適化し、全身の健康、生活の質向上に結び付けます。これからの予防管理型歯科医療の実践に必要とされる重要な学問です。

歯学臨床教育では、旧来型の一方的に知識やスキルを供与する教育の時代から、現在はコンピテンシー(ハイパフォーマーの行動特性)の育成が求められています。口腔総合治療学教室では、2つの主たる教育目標として「患者第一主義のアプローチができる臨床家を育てる」および「リサーチマインドを持った臨床家を育てる」を掲げております。これまでも歯学臨床教育の現場でたびたび目にする言葉ですが、これからは従来のように単なる知識として覚えてもらうのではなく、コンピテンシーとしてこれらの実装を求めてまいります。人間の行動特性を教育するということは私にとっては新たな挑戦であり、時間のかかることであると思いますが、学部生、研修医のパフォーマンスの成長を促し、歯学研究院、病院の競争力を上げる一端になれますよう努力してまいります。

基礎研究を社会実装することは大学の使命であると考えます。口腔総合治療学教室のもう一つの側面として、橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)を通じた臨床歯学研究者の育成を図ってまいります。橋渡し研究とは、基礎研究で得られた成果(薬物や材料)が本当にヒトに対して安全かつ有用であるのか、非臨床試験ならびに臨床治験を通じて社会実装を図る一連の研究です。口腔総合治療に関連する橋渡し研究を推進して、歯科医療の発展に努めます。また2020年に歯学研究院A棟にデンタルイノベーションスペースが完成しました。これは企業に研究・開発用のスペースを提供して歯学研究を促進するものであり、現在口腔総合治療学教室も参画して強力に研究開発を推進しております。皆様には歯学研究院の今後の研究開発報告にご注目頂ければと存じます。

 まだまだ浅学非才の身ではございますが、今後ともご支援の程何卒よろしくお願い申し上げます。

 




歯学研究院 副研究院長(兼 副学院長,副学部長)
口腔総合治療学教室 教授
(兼)北海道大学病院口腔総合治療部 部長
(兼)臨床研修センター歯科卒後臨床研修部門 部門長
歯科医師臨床研修プログラム責任者
 
ご挨拶





















































































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