口腔内科コラム|口腔カンジダ症② ― 唾液と入れ歯との関係

口腔カンジダ症②

口腔カンジダ症は、口腔粘膜の表面にカンジダ菌が付着し、さらに粘膜内へ侵入していくことで発症します。常在菌であるカンジダは、はじめは舌などの粘膜表面に付着しますが、通常であればうがいや唾液の自浄作用によって洗い流されます。

しかし、食事や会話の機会が減少したり、加齢や薬剤の副作用によって唾液分泌が低下すると、カンジダは粘膜表面により強固に付着するようになります。この段階では、うがいだけでは十分に除去できず、スポンジブラシなどによる機械的な清掃が必要となることがあります。

さらに放置すると、カンジダは糸状の菌糸を形成し、粘膜下へ侵入して組織と強固に結合します。いわば「カビに根が生えた」状態です。この段階になると、表面を清掃するだけでは不十分であり、抗真菌薬を用いて粘膜内に侵入したカンジダ菌を治療する必要があります。

このように、唾液による自浄作用が正常に機能していれば、カンジダの粘膜への付着は防がれます。一方で、唾液分泌が低下した状態、すなわち口腔乾燥が長期間続くと、口腔カンジダ症を発症しやすくなります。

また、入れ歯は「カンジダの格納庫」とも表現されるほど、カンジダが付着・増殖しやすい性質を有しています。義歯の材質や表面構造は、カンジダの定着に適した環境を形成しやすいため、適切な管理が重要となります。

次回は、口腔カンジダ症を予防するための入れ歯の具体的なお手入れ方法について解説いたします。