2020年度・52期生（３年次）フロンティア基礎科目（薬理学教室）では、「科学的リテラシーの基礎トレーニング（第2期）」を行いました
（概要）
科学的なテーマを選択し、適切に理解・解釈・分析し記述・表現すること、すなわち「科学的リテラシー」のトレーニングを徹底して行います。担当教員たちとのディスカッションを通じて、理解した内容をパワーポイントにまとめ発表することを繰り返します。教室内での最終発表会においては、当該領域での研究の方向性を把握し、自らの考えを発表します。以下の流れを基本として進行します。
① 科学的なテーマの選択と、その理由についてのプレゼンテーション。
② 背景となる事項を教科書や成書で調べ、知識をまとめる。
③ 理解した内容をパワーポイントにまとめ、発表する。
④ 関連文献の検索・批判的吟味が出来るようにする。
⑤ 当該領域での研究の方向性、今後どんな研究が重要となるかを考えてみる。
⑥ 当該領域における自らの考えを発表する。

今年度は、以下のテーマに関して、成果報告がありました。
· おいしいパンの生命科学、つくる生化学と食べる生理学
· スマホと人類進化と脳内報酬系
· 服選びと整理を科学する、フランス人から学ぶ
· 美味しい料理の科学と哲学、リダクショニズムとホーリズム
· 計測科学で分析する年齢に応じた歩き方と健康法
· 歴史で見る「オペラのすすめ」

受講者： 堀井菜々子さん、熊谷七恵さん、鈴木杏樹さん、石垣　諒さん
Organizer / Instructor：飯村忠浩
Discussants：李智媛先生、戸井田　侑先生、佐藤孝紀先生、山下航司先生、劉青雲先生、中西徳子先生、庵敬先生、高倉綾先生

参考図書：以下の書籍・文献を参考に、吟味、深掘り、発表、議論をしました。
「パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密」吉野精一　講談社BLUE BACKS
「パンのなぜ？に答える パンづくりの科学」吉野精一　誠文堂新光社
「食品におけるメイラード反応」臼井照幸
日本食生活学会会誌 第26巻 第1号，2015，pp7-10．
「メイラード反応生成香気成分が有する新たな可能性への挑戦 食品メイラード反応の最新の香り研究」大畑素子ほか
https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=1230
「メイラード反応によってアミノ酸やペプチドから生成する香気成分の生理作用」周蘭西https://kitasato.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=89&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1
「生物と無生物のあいだ」福岡伸一　講談社現代新書
「認知症の人の心の中はどうなっているのか」佐藤眞一　光文社新書
「わかりやすいはわかりにくい？」鷲田清一　ちくま新書
「思考中毒になる！」齋藤考　幻冬舎新書
「フランス人は10着しか服を持たない」ジェニファー L スコット　大和書房
「人生がときめく片づけの魔法」　近藤麻理恵　サンマーク出版
「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン　新潮新書
「進化のからくり」千葉聡　講談社
「アリ語で寝言を言いました／村上貴弘　扶桑社新書
「だから古典は面白い」野口悠紀雄　幻冬舎新書
「病気はチャンス」喜多敏明　Create Books
「生きがいの創造」飯田史彦　PHP研究所
「チャイナ・スタディー」T・コリン・キャンベル/トーマス・M・キャンベル　グスコー出版
「WHOLE がんとあらゆる生活習慣病を予防する最先端栄養学」T・コリン・キャンベル　株式会社ユサブル
Mgbodile MUK,and Campbell TC. “Effect of protein deprivation of male weanling rats on the kinetics of hepatic microsomal enzyme activity.” J.Nutr. 102 (1972):53-60.
Preston RS, Hayes JR, and Campbell TC. “The effect of protein deficiency on the in vivo binding of aflatoxin B1 to rat liver macromolecules.” Life Sci. 19 (1976): 1191-1198.
Dunaif GE, and Campbell TC. “ Relative contribution of dietary protein level and Aflatoxin B1 dose in generation of presumptive preneoplastic foci in rat liver.” J Natl. Cancer Inst. 78 (1987): 365-369.
Schulsinger DA, Root MM, and Campbell TC, “Effect of dietary protein quality on development of aflatoxin B1-induced hepatic preneoplastic lesions.” J Natil Cancer Inst. 81 (1989): 1241-1245
「美味しい料理の哲学」　廣瀬純著　河出書房新社
「ニンニクの科学」　齋藤洋監修　朝倉書店
「ブラック・マシン・ミュージック　ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ」　野田努著　河出書房新社
「愛するということ」　エーリッヒ・フロム著　紀伊國屋書店
「オペラ入門」（許光俊、講談社新書
「究極の歩き方」アシックス スポーツ工学研究所　講談社
「人の足と形態変化」市川将・楠見浩行 アシックススポーツ工学研究所 バイオメカニズム学会誌、vol.43, No.2、2019
「歩行姿勢に基づく見た目年齢評価式の開発」市川将 武市一成 田川武弘 品川亮太 西脇剛史 アシックススポーツ工学研究所 7-16, vol.24, バイオメカニズム、2018
「オペラ入門」許光俊　講談社
「アメリカ政治の壁」渡辺将人　岩波書店
「アニメ！リアルvs.ドリーム」岡田浩行・武井風太　岩波書店
「イチローの功と罪」野村克也　宝島社