研究概要

1.マイクロ・ナノパターンのバイオ応用:
生体組織は、マイクロとナノの階層構造を構築し、驚くべき機能を発現しています。これを模倣して、バイオマテリアルでマイクロ・ナノパターンを調製し、強い細胞接着や殺菌効果などの機能を持つ表面を創製することにより、今までなかった高機能材料・医療機器を開発します。


2.生体/材料界面の解析・制御と高次医用材料の開発:
歯質接着理論を基に分子設計したリン酸化プルランは、生体硬組織に対して強固に接着する機能性多糖誘導体です。抗菌物質を歯に運ぶ口腔ケア製品から、接着性を有した骨補填材、 感染防御型インプラント、DDSなど様々な医用材料の高機能化が可能であり、医科への用途拡大を行っています。


3.ナノ物質生体反応の探求:
材料がマクロからミクロ、ナノサイズへと微細化すると、体内侵入・全身拡散性の向上とともに、表面積の増大に伴う生体反応誘発性の増加や、機能性転換が起きるようになります。この高機能化は一方で、生体為害性として発現する可能性も内在しています。そのような生体にとって未知の反応・応答の究明を試みます。



4.医工連携事業化推進事業

事業目的:医療現場が抱える課題に応える医療機器について、日本が誇る「ものづくり技術」を活かした開発・実用化を推進することにより、我が国の医療機器産業の活性化と医療の質の向上を実現する。
事業概要:根管治療や直接覆髄は予後不良のため再治療となる症例が非常に多い。その治療に用いられる歯内療法用材料に①辺縁封鎖性と②硬組織誘導能を付与することができれば治療効果が著しく向上するが、両方の機能を有した材料はない。本研究では我々の創製した多糖誘導体リン酸化プルランを添加することにより、上記の二つの機能を併せもつ究極の歯内療法用材料を開発し、世界で高いシェアを誇る高機能歯科材料の実用化につなげる。
実施主体:
総括事業代表者:ジーシー
副総括事業代表者:北海道大学
製造販売担当:ジーシー
事業管理機関:岡山県産業振興財団
事業実施機関:ダイヤ工業、北海道大学、岡山大学