大学院生の声
私の大学院生活 榊原真子
大学卒業まで九州で生まれ育った私は、福岡県にある九州歯科大学で6年間過ごしました。元々矯正歯科医になりたくて歯学部に入学した私は、北海道大学病院では研修医から矯正歯科を選択できるという特色があると知り遠路はるばる北海道へやってきました。そして冬の寒さと雪道生活に心折れそうになりながらも研修医でお世話になったこの医局で認定医取得の道を志すことに決めました。認定医取得には大学院などの研修機関で研鑽を積む必要があります。大学院入試と歯科矯正学教室の入局試験をパスした私は、やっとの思いで夢の矯正歯科医への第一歩を踏み出すことになります。
入局直後は数か月間の特訓期間があります。この期間は昼夜を問わずワイヤーベンディングやタイポドント、症例分析等の課題をこなし矯正の基礎を叩き込みます。その後外来診療にて指導医の先生方のご指導のもと多種多様な症例について勉強し、幅広い知識を得ながら現在認定医取得を目指し日々研鑽を積んでおります。
また、大学院では臨床だけでなく研究も行います。私は矯正歯科に関連性の高い硬組織学教室に在籍させて頂き骨の再生について研究を行っております。
研究に関しては、臨床との兼ね合いをみながら自分のペースで実験を進め、データがまとまったところで学会発表させて頂き、大学院博士課程修了に向けてより内容を深め論文作成に励んでおります。
と、ここまでは他の大学院生と変わりない日常をご紹介しましたが、私は大学院1年目で入籍、3年目で妊娠・出産し、現在は双子の育児をしながら臨床と研究に励んでおります。矯正科医になるという夢もプライベートも諦めずにここまでこられているのは周りの心優しい先生方の数えきれないほど多くのご支援があるからだと思います。この恵まれた環境に甘えず、周囲に恩返しができるよう患者さんと親御さんの気持ちが分かる矯正歯科医を目指して残りの大学院生活をより充実したものにし、日々精進していく所存です。
大学院生活 上野楓実
矯正歯科は他の診療科と比較し、一人の患者さんを少なくとも数年にわたり治療するため、その方の人生の一部に関わるという面があると考えます。長い治療期間を経て、きれいな歯並びで笑顔になってもらえたらどんなに嬉しいことだろうと魅力を感じ、私は矯正歯科医を目指すようになりました。また多くの知識、多面的な思考、高い技術が必要とされ、奥深い診療科だと感じています。
入局後約3ヶ月間は集中特訓と呼ばれる基本的な知識や手技を学ぶ期間があります。その後は指導医の患者さんのアシストや治療を通し臨床を学び、自分の担当患者さんを診療しながら研究も並行して行っていきます。
北海道大学歯科矯正学教室の特徴は、高い診断力であると私は考えます。患者の顔面、口腔内、あらゆる分析値から一つでも多くの情報を捉えて考察し、適切な診断をすることで、より良い治療計画を立案することができます。私が入局してから、これらの考え方は佐藤教授や山本先生をはじめとした指導医の先生方にかなり叩き込まれました。まだまだ考えが至らないこともあるかと思いますが、成長できたのは先生方のご指導の賜物です。
研究では薬理学教室の飯村教授のご指導のもと、骨粗鬆症治療薬であるテリパラチドの細胞学的薬理作用の探求に取り組んでいます。
大学院生活は忙しく大変なことも多いですが、優秀な先輩方、後輩に刺激を受けながら日々学ぶ姿勢を忘れずに精進して参ります。
大学院生活 福添拓也
私は大学卒業後、研修医になるタイミングで北海道に越してきて北大での1年間の研修医生活を経て、大学院に進学しました。私が大学院進学を決めた理由は、大学院で専門性の高い技術や知識を身につける過程で、自分の目指す歯科医師像に近づくことができると思ったからです。働きながら研鑽を積んでいく選択肢もありましたが、より学習に重きをおくことができるのは大学院進学であると考えました。また、学部生時代から勉強していて1番楽しかった歯科矯正学について教養を深めたいと思い入局を決意しました。
大学院入学直後の3ヶ月間は集中特訓期間となっており、ワイヤーベンディング、装置製作、分析、治療計画立案、タイポドント、講義etc..歯科矯正学の基礎を叩き込まれます。集中特訓期間終了後は、実際に臨床の現場で自分の患者さんの診療をしたり、指導医の先生の診療に参加したり、それらの分析や技工を行なっていくことになります。実際の臨床の現場で、指導医の先生方のご指導のもと多種多様な症例に対する理解を深め、認定医取得を目指して日々研鑽を積んでまいります。
また、大学院生活では臨床だけでなく研究も行なっていきます。私は矯正装置を口腔内に装着する際に使用する接着材について、装置撤去時に生じる歯への負担を最小限に抑えるための研究を行なっております。今はひたすら実験を行いデータを集める段階ですが、いつか研究の成果を発表したり、論文として形に残すことができるのを楽しみにして、励んでまいります。
臨床と研究と非常にやることが多く慌しい毎日ですが、経験豊富な先生方、そして、同期や先輩後輩など志を同じくする仲間が沢山いる整った環境があるおかげで1つ1つの経験に対して新たな学びを見出し、自分のスキルに還元できていると感じています。思い描く理想の歯科医師像を目指して残りの大学院生活も日々精進していきたいと思います。
大学院生活のはじまり 丹羽千紘
私は東京歯科大学歯学部を卒業し、卒後臨床研修を経て大学院に進学しました。学生時代から、特に矯正歯科に興味を持っており、矯正治療の専門性の高さと、患者さんの生活を大きく改善するその効果に魅力を感じていました。
大学院に入学後、すぐに集中特訓が始まりました。ワイヤーベンディングやタイポドントなど、矯正治療に必要な基礎技術を身に着けるため、毎日夜遅くまで課題に取り組む日々が続きました。決して簡単ではありませんが、新しい技術を習得し、自分のスキルが少しずつ向上していくのを感じることができ、やりがいを持って取り組んでいます。
臨床では、指導医の先生方の下で多様な症例に取り組んでいます。患者さん一人一人に合わせた治療方針を立てることが求められ、毎回新たな発見や学びがあります。症例ごとの違いや治療過程を経験することで、自分の知識の幅が広がっているのを感じます。
今後、研究も始まり、さらに忙しくなるとは思いますが、これからが本番だと身が引き締まる思いです。臨床と研究を両立し、充実した大学院生活を送ることが出来るよう、努力していきたいと思います。