口腔機能学講座 口腔機能補綴学教室

Department of Oral Functional Prosthodontics Division of Oral Functional Science Graduate School of Dental Medicine Hokkaido University

部分欠損症例の予後と欠損補綴の機能評価

研究概要

歯を失うことは、咀嚼や会話などの口腔機能の低下、審美性の低下などをもたらし、欠損を放置することはさらなる歯牙の喪失や機能障害を継発することにつながる。これらを防止するために欠損部への補綴治療が行われるが、部分床義歯の設計などについては歯科医師の経験によるところが大きく、十分なエビデンスが得られていないことがある。EBM(Evidence-based medicine:根拠に基づく治療)を実践するためには、臨床研究から得られた結果が重要となってくる。 当教室では、いままで、明確に示されてこなかった診療上の疑問(Clinical Question)から、臨床研究を計画し、より良い治療や正確な診断を患者に提供するために、医学的なデータの収集、解析を行っている。 特に、部分欠損歯列の補綴方法として一般に行われている部分床義歯やデンタルインプラントについて、支台歯や欠損隣接歯の生存率に影響を与える因子について検討し、長期の予後を得るためにどのような補綴治療が適切であるかを検討している。 また、咀嚼機能の回復に影響を与える因子を検討することで、機能回復に最良な治療介入方法を検討している。 さらには、近年新たに行われているデンタルインプラントと部分床義歯を併用した治療方法について、その有効性と安全性について検討を行っている。

研究テーマ

1.インプラントと部分床義歯の予後や機能評価

  • 部分欠損歯列の補綴方法としては、デンタルインプラントと部分床義歯があるが、その予後や機能評価について比較検討した研究が少なく、十分なエビデンスが得られていない。
  • 各補綴治療が、残存歯の生存率にどのような影響を与えるかについて、過去の診療録からデータを収集し、解析を行っている。
  • 各補綴治療の機能評価ついては、グミゼリーを用いたグルコース溶出法を用いて咀嚼能率を検討し、アンケートを実施して患者の満足度について検討している。

2.インプラント支持部分床義歯(ISRPD)の臨床的意義の検討

  • 部分床義歯の支持能力を強化する目的でインプラントを支台として用いたインプラント支持部分床義歯(ISRPD)が、近年、臨床されているが、その効果と安全性については不明な点が多い。
  • 部分床義歯にデンタルインプラントを併用することによる効果を、咀嚼能率や患者の満足度から明らかにするため臨床研究を行っている。
  • 安全性については、ISRPDを長期に使用した場合に、支台歯や顎堤組織に与える影響、埋入したインプラントおよび部分床義歯の生存率などについて検討を行っている。
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