口腔機能学講座 口腔機能補綴学教室

Department of Oral Functional Prosthodontics Division of Oral Functional Science Graduate School of Dental Medicine Hokkaido University

機械的ストレスの骨代謝への影響

機械的刺激(伸展ストレス)のような物理的信号が細胞内において どのような情報伝達経路を用いて骨形成促進の生物学的信号発信に置き換わるのかを解析している。

研究概要

再生医療は医歯学の分野で現在最も注目されている研究であり、 歯科臨床においてもその実現が期待される分野であります。 そして組織の再生には①足場、②増殖因子、③細胞の3つが基本的には必須となります。 当教室では20年以上前より骨の再生、歯周組織の再生について研究を行ってきています。 その中で重要なものとしては、骨形成タンパク質を用いた異所性骨形成のような増殖因子を用いた研究があります。 またβ-TCPやハイドロキシアパタイトのブロックを用いた同所性の骨形成、 骨増成実験のような足場に関する研究も行ってきました。 そこで現在我々は細胞に着目して、細胞に各種刺激などを加えて細胞動向を検討しています。

研究テーマ

1.ヒト歯根膜線維芽細胞を用いた研究

ヒト歯根膜線維芽細胞にメカニカルストレス(伸展刺激)を加え、 Ⅰ型コラーゲン、focal adhesion kinase (FAK)、p38の発現を ウエスタンブロッティング法で検索しました。 伸展刺激によってⅠ型コラーゲン発現は増強されました。 FAK、p38の発現量には変化がみられなかったものの活性化が認められました. これらより,歯根膜線維芽細胞では機械的刺激がインテグリン-FAKを介した経路によってp38を活性化させ、 Ⅰ型コラーゲンの転写因子に作用して同コラーゲンの合成を増加させることが示唆されました.

2.骨肉腫細胞を用いた研究

ラット骨肉腫細胞にメカニカルストレス(伸展刺激)を加え、 活性型ビタミンDの代謝活性を調節する酵素(CYP24)に焦点を絞り検索しました。 その結果、酵素活性はビタミンD濃度依存的に、機械的刺激強度依存的に上昇がみられた。

お問い合わせ

ページの最上部へ