口腔機能学講座 口腔機能補綴学教室

Department of Oral Functional Prosthodontics Division of Oral Functional Science Graduate School of Dental Medicine Hokkaido University

有限要素法による応力解析

研究概要

有限要素法とは、コンピュータによる数値シミュレーションのひとつである。 すなわち、生体を含む物体の形状、構成材料の力学的性質および外力の方向と大きさ等から計算によって 物体の変位と応力を求めることができる。当講座で初めて導入された約20年前は、 主に大型計算機センター等のスーパーコンピュータを用いていたが、 近年はパーソナルコンピュータの性能が飛躍的に向上し、複雑で大規模な解析にも用いることが可能となってきた。 現在、各種の補綴物と口腔内の組織が相互に及ぼす力学的影響について解析している。

研究テーマ

1.全部床義歯の動態解析

  • 全部床義歯は、咬合力等により容易に変位し、床下粘膜の疼痛や維持安定の不良をきたしやすい。当講座では、顎堤形態、咬合接触条件などが、義歯の変位に及ぼす影響を解析している。
  • 実際の義歯の動態に近似した結果を得るため、義歯-粘膜間の接触滑走のモデル化を取り入れた解析を行っている。
  • 模型を3次元レーザースキャナにより計測して得られた患者個々の顎堤形態から、全部床義歯と顎堤をモデル化して、荷重時の義歯の変位を解析し、この結果に基づいて顎堤形態の分類を試みている。

2.失活支台歯の解析

  • 局部床義歯のトラブルでしばしば遭遇するものに失活支台歯の破折が挙げられる。
  • 失活支台歯の破折のメカニズムの解明と、局部床義歯の支台歯の選択基準を明らかにすべく解析を行っている。

3.局部床義歯の解析

  • 局部床義歯、とくに遊離端義歯は、長年研究されてきた応力解析のテーマのひとつであるが、 本講座では、リジッドサポートの概念による設計を中心に、支台歯と顎堤の負担軽減を図るための設計の要件について検索している。
  • 粘膜の非線形解析(2次元)、接触解析(2次元、3次元)、歯根膜の異方性のモデル化などにより、実際の口腔内に近似したモデルの作成を試みている。
お問い合わせ

ページの最上部へ