北海道大学歯学部口腔診断内科
北海道大学歯学部
口腔診断内科

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顎関節脱臼

顎の脱臼とは?

顎が戻らない?、口が閉じられない?・・・・
不安、心配が増す症状です。
あくびをしたり、お寿司を食べたり、歯科治療や気管支鏡検査などの際に大きく口を開けると、関節の運動支点となっている顎の関節が正常な可動域を越えて、関節から外れて口が閉じられなくなることがあります。これが顎関節脱臼です。一般的には、あごがはずれた状態です。いわゆる「癖になる」、脱臼がちょっとしたことでおこり、繰り返し何度も起こってしまうことがあります(習慣性脱臼 しゅうかんせいだっきゅう)。

性差

女性は男性に比べ下顎窩(関節の深み)が浅いため、男性よりも脱臼しやすい。

症状

口が閉じられないため面長の顔となり、また上下の唇が閉じられなくなり、顎関節部に痛みや緊張感がみられます。耳前の顎関節部は陥凹し、その1〜2cm前方が隆起します。
口が閉じられない。唾液がうまく飲み込めずこぼれ出てくる。また頬骨の下に下顎頭が突出するため顔貌が変化する。長期間(4週間以上)経過した脱臼は、関節周囲の結合組織等が器質的に変化し、整復が困難になります。また超高齢者、脳血管障害や認知症、精神疾患、精神発達遅滞、意識障害、無歯顎者で陳旧性が多いとされます。

治療

術者があごを動かしてもとに戻します(徒手的整復)。もとに戻した後にすぐに再発することがあるので口が開かないようにテーピングやバンテージなどの予防処置をします。はずれることが癖になっている方(習慣性脱臼)には、外科的な手術をすることがあります。

参考文献

・榎本昭二編 『最新口腔外科学』 医歯薬出版、1999年6月
・口腔外科相談室 公益社団法人 口腔外科学会(https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_kansetu/#c02)
・メディカルノート(https://medicalnote.jp/diseases/顎関節脱臼)