北海道大学名誉教授 石川 純 先生を偲ぶ会が平成17年7月3日(日)札幌
グランドホテルにて行われました.多くの 皆様のご参会に深く感謝するとともに,
温かいご協力により無事に会を終えることができましたこと,厚く御礼申し上げま
す.故石川純先生のご冥福をお祈りします.
       偲ぶ会の様子

石川 純 先生 略歴

大正11年10月6日  東京都文京区にて出生

昭和20年 9月  東京医学歯学専門学校歯学科卒業
昭和24年 3月  東京医学歯学専門学校医学科卒業
昭和25年 5月  東京医科歯科大学助手
昭和30年 4月  東京医科歯科大学講師
昭和36年 5月  東京医科歯科大学助教授
昭和43年 7月  北海道大学歯学部助教授
昭和45年 4月  北海道大学歯学部教授
昭和61年 4月   停年により退職
昭和61年 4月   北海道大学名誉教授


学会及び社会活動

昭和53年 5月 北海道大学歯学部長,北海道大学評議員
         北海道大学大学院歯学研究科長
昭和59年 2月 学術審議会専門委員 
昭和59年12月 放送教育開発センター運営協議員
      

日本歯周病学会常任理事
国際歯周病学会会長
日本歯科保存学会理事



余録

 大正11年10月6日東京都文京区に生まれ、昭和16年東京高等歯科医学校(現
東京医科歯科大学歯学部)に入学された後、昭和20年9月に卒業されました。翌
21年、東京医科歯科大学医学科に入学、24年3月に卒業され、1年間のインター
ン修業を経て、 医師免許も修得されました。昭和25年5月、同大学の歯科保存
学教室に助手として入 られ、桧垣麟三教授のもと難治疾患とされていた歯周病
への取り組みを始められまし た。昭和30年4月、歯学部講師となり、昭和33年か
ら35年まで我国の歯科医としては、はじめて米国フルブライト奨学金を得て、米
国タフツ大学へ留学されました。帰 国後、東京医科歯科大学助教授となり、創
設まもない北海道大学歯学部に昭和43年7月保存学第一講座助教授として赴
任され、歯周病学を担当する新講座開設の準備を行 なわれました。昭和45年4
月、予防歯科学教授となられた後、昭和46年4月歯科保存 学第二講座を正式
開設、初代教授となられ、教育、臨床、研究に情熱を傾けられまし た。昭和53年
5月から57年4月までは歯学部長と北海道大学評議員を併任され、歯学 部並び
に全学の研究と教育の発展に多大の貢献をされました。昭和59年2月から学術
審議会専門委員、同年12月から放送教育開発センター運営協議員も併任されま
した。 昭和61年4月定年退職とともに北海道大学名誉教授の称号が授与されま
した。本学退 官後も昭和63年から平成2年までInternational Academy of
Periodontology (IAP)の 会長として、歯周病治療および研究の発展に広く活躍さ
れました。

 この間、国民病とも言われる歯周病の原因の解明と治療に関する研究に携わ
られました。研究当初、歯周病の原因は未知の全身因子が深く関与しているとさ
れており、その全身論を解明すべく、ダイランチンの服用に伴う歯肉増殖に着目
されて、東大精神 科の外来で887人のてんかん患者の口腔を調べて、その発生
状況を解析されました。昭 和33年7月から35年7月までボストンタフツ大学歯周
病学教室のグリックマン教授 のもとへ留学されて、歯周病の治療にはブラッシン
グが重要であることを学ばれ、帰国後、日本では全く認知されていなかったブラ
ッシングの効果を実証する多くの臨床実験を行なわれました。さらに京大のサル
研究グループに加わり、飼育ザル309頭の口腔を診査して、食べ物の違いがど
れほど口の中の環境汚染を引き起こし、ひいては虫歯や歯周病を引き起こすか
を調べられ、歯周病がデンタルプラークという局所因子によって引き起こされるこ
とを実証されました。

 北海道大学歯学部附属病院(現北海道大学病院歯科診療センター)において
は、歯周病に対する合理的かつ効率的な診療体系の確立に力を注がれました。
ブラッシングが 何故歯周病の予防や治療に効果を挙げうるのかを分析されて、
さらに歯肉マッサージ がいかに大切かを実証されました。また、ブラッシングを
確実に行わせるために必要なモチベーションに関して、心理学や行動科学の考
えを取り入れた実験を行なわれました。さらに歯周病の修飾因子に関する研究
も精力的に行われ、特に咬合性外傷や口呼吸と歯周病との関係に関して多くの
成果をあげられました。

 学会活動では、日本歯周病学会、日本歯科保存学会、International Academy
of Periodontology(IAP)、International Association for Dental Research (IADR)、
American Academy of Periodontology (AAP)をはじめとする17の学会の役員とし
て活 躍され、特に日本歯周病学会常任理事、日本歯科保存学会理事、IAP会長
になられて学 会運営に深く関わられました。昭和46年9月には第41回日本歯周
病学会総会、昭和63年には第3回国際歯周病学会を京都で主催されました。こ
のような先生の御功績に対して、平成10年勲二等瑞宝章が授与されました。

■ 連絡先・お問い合わせ
  北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座歯周・歯内療法学教室
Tel:(011)706-4266
Fax:(011)706-4334