山口泰彦

教授挨拶

当教室は1971年,初代教授,内山洋一先生の歯科補綴学第二講座としてスタートしました.その後,1997年,二代目教授に大畑昇先生が就任, 2000年の大学院重点化に伴い教室名は口腔機能学講座リハビリ補綴学教室となりました.2014年6月,私,山口が三代目の教授となり,教室名は口腔機能学講座冠橋義歯補綴学教室となりました.

その間,他大学を含め,教授6人,助(准)教授5名を輩出し,大学を離れた先生においても全国的に著名な臨床家として活躍するなど,優秀な人材を輩出しています.

その背景には,初代内山先生から続く,適切な基本手技に裏付けられた優れた臨床技術,そして既成概念にとらわれない柔軟な発想の習慣,得られた知見が臨床に結び付くことを常に念頭に置いた臨床的研究マインドがあります.そして,多くの臨床実績,先駆的な研究成果を生み出してきました.

私も教授就任以来,この素晴しい伝統を生かしながら,さらに新たな発展を遂げられるよう教室の運営に取り組んでいます.

教室の研究面では,顎口腔機能に関する研究,CAD/CAMシステムの歯科的応用に関する研究をメインに,顎顔面補綴,顎変形症,歯周組織・顎骨欠損部の再建などについて取り組んでおります.臨床面では,教室名に示された通り,冠橋義歯,すなわち,歯にかぶせる冠(クラウン)や橋義歯(ブリッジ)を中心とした歯科補綴治療を専門とし,特に高次の治療機関である大学病院の補綴専門外来として様々な条件で補綴治療が難しい患者さんの治療に当たっております.また,難治性の咬合違和感,ブラキシズム(歯ぎしりやくいしばり),顎関節症,閉塞型睡眠時無呼吸症候群,顎顔面補綴,顎変形症などの補綴関連領域についても補綴の専門性を生かして診療を行っています.教育では,卒前教育として冠橋義歯補綴学に関する講義,模型実習,臨床実習を,卒後教育として,研修医教育,大学院生の研究指導を担当し,さらに,日本補綴歯科学会と日本顎関節学会の専門医制度の研修施設として,専門医の育成に携わっております.

このように大学における臨床系教室は,教育,研究,臨床の複数の役割を果たさなければなりません.幸い,当教室には優秀で誠実かつ熱心なスタッフが集まり,一人何役かの多くの職務をこなしております.

歯科,あるいは補綴歯科にはその時代時代で,様々な課題が出現し,先人はそれを解決すべく,発展をしてきました.当教室も,現在の社会が抱える諸問題に対し,歯科的立場からその難問の解決に向けて貢献できるよう努めてゆく所存です.

北海道大学大学院歯学研究科 口腔機能学講座 冠橋義歯補綴学教室

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