1.哺乳について
赤ちゃんがお母さんの乳首を直接に吸える場合は、母乳をできるだけあげてください。しかし、口唇・口蓋裂の赤ちゃんは吸う力が弱いため、直接乳首を吸うことは難しい場合が多いようです。母乳には免疫成分が含まれるなど人工乳にはない種々の利点があります。搾乳して哺乳ビンであげましょう。
赤ちゃんは、最初の5分間に必要量の半分を飲み、あとの10分間は楽しみながら飲みます。途中の一休みをいれても1回の哺乳時間は、20分間で終えます。通常の哺乳に30分間以上かかる場合は、赤ちゃんも疲労して十分な量が飲めていないのに哺乳を止めてしまうことがあります。その時は、乳首の大きさや種類・飲ませ方などの工夫をします。
口唇・口蓋裂の赤ちゃんは、吸う力が弱いですが、ホッツ床を使用することによって吸う力は30%アップします。ホッツ床使用後は、哺乳時間・量とも平均的な値が得られ、体重増加も十分にみられるようになります。鼻漏れもかなり改善されます。
ただし、栄養チューブを使用し鼻からミルクを注入していたため、口から飲んでいなかった期間が長いと、ホッツ床を使用してもすぐには全量を口から飲めないことがあります。そのような場合は、哺乳ビンと栄養チューブを併用し、気長に口から全量飲めるようにしていく努力をあせらずに行います。
ホッツ床を使用しての授乳はチュチュ, ピジョンP型などの特別に工夫された乳首をお勧めしています。これらの乳首はミルクの吸い込みや飲み込みの弱い赤ちゃんがしだいにリズミカルな哺乳運動を習熟していくように考えてあります。ただし、赤ちゃんによって適不適がありますのでご相談ください。